第4回柴田鈎足の引線法

柴田鈎足の引線法

「柴田法則」の出現を確認するのに、棒足(ローソク足)罫線図を分析する方法と、鈎足罫線図を分析する方法があることを「柴田罫線を学ぶ」シリーズ第3回で説明した。棒足罫線の引線法は広く知れ渡っているので省略する。ここでは鈎足罫線の引線法について説明する。

柴田罫線の鈎足は、引線時の値幅が価格帯によって異なる。その値幅表(第4回付録参照)は「秋豊流機械式売買目盛表」のなかにある「株式欄」の表をもとに、谷畑p昭先生と清光経済研究所が検討を加えて、追加、修正をほどこしたものだ。柴田秋豊先生の時代には1株100万円以上の高い株はなかったし、呼び値幅も変更されているためである。 この値幅表をみればわかるように、柴田鈎足では株価が高くなるにつれて、株価に対する値幅の比率が小さくなる。
2211データ表

ここで、実際の株価をもとに、柴田鈎足の引線法を学んでみる。
上表は、東証1部に上場している不二家(東1:2211)の99年9月1日〜11月30日の値動きだ。
まず9月1日の336円を起点として値幅表をみると、株価が300〜349円のときの値幅は10円であるので、終値で10円以上株価が動いたときにのみ鈎足を引線する。

(1)9月2日の325円は、336円から11円の 下落であるから、下に向かって陰線(黒い線またはソフトウェア上では青い線)を引く。今度はこの325円が基準になる。9月3日や6日の318円は325円に比べて7円の値動きでしかないから鈎足は引線しない。
(2)9月7日の315円は、2日の325円に比べて10円の下落であるので、陰線をそのまま315円まで下に伸ばす。
(3)9月8日の303円は、7日の315円に比べて12円の下落であるので、陰線をまた303円まで下に伸ばす。
(4)9月9日の318円は、8日の303円に比べて15円の上昇であるので、行を変えて右側に陽線(白い線またはソフトウェア上では赤い線)を上に向かって引く。9月10日の316円、13日の320円、14日の311円は、いずれも9日の318円に比べて10円以上の値動きでないため、鈎足は引線しない。
不二家鈎足 (5)9月16日の305円は、9日の318円に比べて13円の下落であるから、また行を変えて右側に、今度は陰線を下に向かって引く。9月17日、20日、21日の株価はいずれも16日の305円に比べて10円以上の値動きではないので、引線しない。
(6)9月22日の294円は16日の305円に比べて11円の下落であるから、陰線を下に伸ばして引く。  株価は300円を下回ったので、ここで値幅表をみてみると株価が250〜299円のときの値幅は9円になっている。1000円未満の株では50円ごとに値幅が変わるので注意する必要がある。
(7)9月24日の280円は、22日の294円に比べて14円の下落であるので、また陰線を下に伸ばす。  9月27日、28日、29日は、24日の280円に比べて9円以上の値動きがないため、引線しない。
(8)9月30日の296円は、24日の280円に比べて16円の上昇であるから、行を変えて右側に陽線を引く。  
以上のように引線していく。つまり、9月1日〜11月30日までの不二家の鈎足は、上表の△▼の個所で引線することになる。ここでは9月30日までの鈎足の引線法を説明したが、10月1日以降を引線してみてほしい。右図のようになるはずだ。  値幅と前日比を混同しないように注意していただきたい。

学ぶポイント

鈎足は基準日を元に、ある一定の値幅以上に株価が変動したときに引線する。

●2文上(下)に切る●

1文(呼び値幅)は株価が動く最小の単位(きざみ)のことだ。たとえば、現在は2000円未満の銘柄であれば1文が1円、100万円以上の銘柄であれば1文が1万円になる。
図1図2 柴田鈎足の法則出現は前高値(前安値)を2文上(下)に切ったところだ。 「2文上に切ると」と表現しているのは、株価によって2文上に切る位置が変わってくることがあるからだ。
例えば、図1の鈎足のように株価が180円にあるときは、202円で2文上に切って「ろく」買いが出現する。しかし、同様に株価が上昇するときでも図2のように198円で一度止まると2文上に切る位置が変わってくる。なぜなら、このときの値幅は7円であるから205円にならないと鈎足が引線されないためである。図1のように2文上(下)に切る位置が特定できないようなときは、「2文上(下)に切ると」と表現していることに注意していただきたい。

 一方、図2のように株価がすでに198円にあるようなときは、「このまま陽線を(205円以上に)伸ばすと」と表現している。値幅表にそのときの株価における値幅と1文を掲載しているので、参考にしていただきたい。なお、1文は市場によって違ったり、変更されることもあるので注意してほしい。
鈎足罫線図を自分で引線することは勉強になる。しかし、実際に投資をおこなおうとしたとき、5000銘柄にもおよぶ上場銘柄の鈎足罫線をすべて引線することは不可能だ。1日100銘柄を1時間かけて引線している投資家もいるが、ここは機械に任せてはどうだろうか。

清光経済研究所は、鈎足罫線図を簡単に確認できる環境を多くの投資家に提供している。「柴田法則PLUS」やネットメンバーサービス「柴田秋豊の罫線」だ。今回説明した鈎足の引線法を知らなくても、機械的に鈎足罫線図を引線し、法則の出現を確認できる。さらに、現在は法則が出現していないが、今後どのような買い法則が出現するのかがわかる「先行観測機能」(下図参照)も搭載され、今後法則が出現する可能性のある銘柄だけを選定することができるなど、その利用価値は高い。asp画像

指数の値幅

TOPIX、日経平均株価等の指標や為替については、一文が特別に定められている。株価が動く最小の単位である呼び値幅と、鈎足罫線を引線するための値幅が、他の上場株式と異なるため注意する必要がある。下記の表を参考にしていただきたい。
値幅表

値幅について
・日経225種は1000円増すごとに10円ずつ加算
・日経500種・東証一部全銘柄単純平均は100円増すごとに1円ずつ加算
・NYダウは100ドル増すごとに1ドルずつ加算
・為替は10円増すごとに10銭ずつ加算

柴田鈎足の値幅表

東証、大証、名証、福証、東証マザーズ、ジャパン・ニュー・マーケット

注意:取引所による呼び値幅の変更にともない、2文も変更となる (下表は2002年9月25日現在)。

下記の表は上昇時を基準に作成している。株価2000円の銘柄であれば下落する際には、5円刻みの1995円ではなく1999円といったように、1円単位の動きとなる。
鈎足値幅表

JASDAQ(店頭株式)

注意:ジャスダックによる呼び値幅の変更にともない、2文も変更となる。(下表は2002年9月25日現在)。
下記の表は上昇時を基準に作成している。株価1 000円の銘柄であれば下落する際には、10円刻みの990円ではなく999円といったように、1円単位の動きとなる。

ジャスダック値幅

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