第17回段上げ段下げで天井や底をとらえる

天底をとらえる――段上げと段下げ

第15回と第16回では、関門観測法およびその応用を勉強した。関門観測法そのものの勉強はそこでひとまず終了し、第17回と次回の第18回では「天底をとらえるための工夫」と題して、相場が天井あるいは底を打つ際の基本パターンについて勉強していきたい。
柴田秋豊先生は、その著書『天底と転換罫線型網羅大辞典』で「相場の動きには『段』があり、原因なしに上がったり下がったりすることはめったにない」と述べ、この段を調べる方法(段上げ段下げ法)を10のパターンに分類して詳細に解説している。この段上げ段下げの終了時に、多くの法則が出現すれば、相場は天井や底を打つというのである。

柴田先生が調査した段上げ段下げの天底率は
・一段止まり   10%
・二段止まり   25%
・三段止まり   40%
・四段以上止まり 25%

という結果になっている。これはあくまでも昭和の戦前・戦後の数値であるから、現在にぴったり当てはまるというわけにはいかないだろう。しかし、昔から「相場は三段動き」と言われているように、長い目で見れば三段で天底となる確率は高いといえるかもしれない。
『天底と転換罫線型網羅大辞典』で、段上げ段下げ法を勉強すれば、天井や底をとらえる足がかりを見つけることができるようになるのである。ここでは、代表的な三段止まりの法則である「いは」型を例にとって実例を見ておこう。

ヤクルト本社(東1 2267)週足罫線図
2267罫線画像

学ぶポイント

●相場は段上げ段下げで天底に達する段上げ段下げ法を勉強すれば
⇒天井と底をとらえる目安となる

天底をとらえる――関門観測法

上で紹介したヤクルト本社の週足罫線図を見ていただきたい。1999年8月の高値から2000年の1月にかけて、図示したような三段下げとなっている。この三段下げは「三段下げが、基道下値斜線、値幅測定法、関門観測法、いずれかの止まり値に到達すれば底値」という定義の、棒足第十一法則の「いは」型となっている。ちょうど三段下げの安値が、前安値の関門付近で止まっているのがわかるはずである。

ここで示した「いは」型に限らず、『天底と転換罫線型網羅大辞典』で解説されている段上げ段下げの10法則をマスターすれば天井と底値の目安がわかるのである。また、今まで勉強した関門観測法も天井と底をとらえる手がかりとなる。関門となる前高値、前安値が天井や底値を形成していることが多いからである。つまり、段上げ段下げ法と関門観測法を上手に組み合わせて罫線を読めば、天井や底を判断する有力なヒントをつかめるといっていいだろう。

実際に売買を行う場合、底値付近で買って天井で売るのが理想であろう。『天底と転換罫線型網羅大辞典』にはこのような投資法を可能にするヒントが随所にちりばめられているのである。段上げ段下げ法だけでなく、ぜひ一度じっくり取り組んでみていただきたいと思う。
最後にもうひとつ、今度は高値の関門付近まで三段上げで上昇し、天井を打った例を掲げておく。ご自分でどこが三段上げで、どこが高値の関門となっているのかを確かめていただきたい。
次回、第18回では、天井や底値で転換する型として、三像型をとりあげて勉強することとしたい

イビデン(東1 4062)週足罫線図
4062罫線画像

学ぶポイント

天井や底をとらえるのは難しいが―
⇒段上げ段下げ法に関門観測法を組み合わせて判断の目安とする

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