第18回三像で天井や底をとらえる
天底をとらえる――三像型
第17回の「柴田罫線を学ぶ」シリーズでは、相場が天井あるいは底を打つ際の基本パターンのひとつとして段上げ段下げ法の基本的なことがらを勉強した。
今回、第18回では、『天底と転換罫線型網羅大辞典』の第2巻第三十二章「各段転換のポイントと再進行型」で述べられている段動き後に来る再騰落の観測法として三像型を取り上げて基本的な解説をしたい。 そこでは、「段動き終了の際に、転換か再進かを間違いなく、正確に教えてくれる法則」として三像型が紹介されているのである。『大辞典』では、この三像型をその性質によって9種類に細かく分類して、詳しく解説している(三像型の変形も含めればあと6種類ある)。
そ の9種類の大まかな分類を示せば、
(1)正規の三像型
(2)三像型の壊れ型
(3)斜線角度の急緩型
の3種類に大別できる。
こ の「柴田罫線を学ぶ」シリーズでそれらすべてを解説する事は、誌面の都合からもとても不可能である。しかし、今まで勉強してきた関門観測法、段上げ段下げ法とあわせてこの三像型の法則を用いれば、相場の天井や底をつかむ目安にはなるだろう。ここでは、代表的な「いえ」型を取り上げて解説するが、その他の三像型の法則についても、ぜひ『天底と転換罫線型網羅大辞典』でしっかり勉強してもらいたい。まずは、この「柴田罫線を学ぶ」シリーズでたびたび取り上げたペンタックスの罫線を見てみよう。
ペンタックス(東1 7750 )週足罫線図
学ぶポイント
●相場の天井と底をとらえるサイン
三像型は各段転換のポイントをとらえるとともに再進行を知る手がかりも提供してくれる
三像型法則の見方
前ページで紹介したペンタックスの週足罫線図を見ていただきたい。罫線図中A 、B と○で囲んだ部分の拡大図を下図に示した。
Aの部分の拡大図
Bの部分の拡大図
それぞれの図で(1)〜(3)として示した部分が、三像と呼ばれる部分となる。
ここで紹介する「いえ」型の場合は、(1)(これを第一像あるいは左像と呼ぶ)と(3)(これを第三像あるいは右像と呼ぶ)がほぼ同じくらいの高さ(つまり同じくらいの株価)となっており、(2)(これを第二像あるいは中像と呼ぶ)が一番安い(売りの場合であればその逆となるので、一番高くなる)形の三像型である。
このような三像型が、段上げ段下げの最終局面にできたり、前安値(前高値)の関門付近でできたときは、天底をつけやすいのである。ちなみに、ペンタックスの場合は、前安値の関門付近で2回目の三像型が現れ、暴騰している。
この「いえ」型も含め、相場の天井や底では、実に数多くの三像型の法則が現れる。それらの法則をしっかり検討すれば、このペンタックスのように大きな利益を上げるチャンスにもなる。ぜひ、「柴田罫線を学ぶ」シリーズの読者も『天底と転換罫線型網羅大辞典』をしっかり身につけてもらいたい。
最後に、右の三洋電機の週足罫線から「いえ」型三像の売り型を探し出してみてほしい。
今までの説明でよくわからないという方は、上のAまたはBの拡大図をひっくり返してみるとよい。
売り型では、第一像と第三像が同じ位の高さとなるのは買い型と同じだが、第二像の株価が一番高くなり、買い型とは逆の形になるのである。 こ のヒントを手がかりにすれば、それほど悩まなくても、容易に見つけ出せるだろう。
三洋電機(東1 6764 )週足罫線図
学ぶポイント
●天井や底をとらえるひとつの目安<
⇒段上げ段下げの最終局面で三像型を探してみよう
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