第21回保ち合いでの売買法
保ち合いの売買法
第20回では保ち合いの典型的な型を紹介し、その現れた位置など売買についての注意事項を説明してみた。この型だけでも知っておくと、保ち合い放れについて売買していけば、上手に利益があげられる場合も多い。実際の例を取り上げて紹介してみよう。 下の東洋エンジニアリング(東1 6330)の週足罫線を見ていただきたい。
東洋エンジニアリング(東1 6330)週足
いちばん簡単な方法はこうである。まず、「柴田法則PLUS」や「ネットメンバーサービス」など(これらの商品をお持ちでない方は、インターネット環境のある方であれば、取引のある証券会社のホームページあるいは「Yahoo! ファイナンス」など、インターネット環境のない方であれば「チャートブック」でもよい)で、過去10年位のなかでの安値圏で長期に保ち合っている銘柄をあらかじめ選び出しておく。
次に、保ち合いの高値を通る線をAのように、安値を通る線をBのようにそれぞれ引いておく。そしてこの保ち合いの高値に引いた線(これを上値抵抗線と呼ぶ)を上に放れた時に買うのである。
このような売買法は、例に挙げた東洋エンジニアリングのように、いつも大きな利益がとれるとは限らないが、底値圏での保ち合い放れであれば、下値リスクも小さい(100%ないとはいえないが)し、形も見つけやすいため、初めて売買に試みるには入りやすい方法といえるだろう。
ただ、相場の状況によっては、このような保ち合いを見つけ出すのが難しいときがある。そのような時は、保ち合いができあがるまで待つしかない。
学ぶポイント
●保ち合いの売買法
保ち合っている銘柄を探す
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保ち合いを上放れたら買う
保ち合いのいろいろ
上で例示した典型的な保ち合い放れを「いも」型と呼んでいる。保ち合い放れの法則の代表格といえる。『天底と転換罫線型網羅大辞典』では、この保ち合いの法則を、さまざまなケースに対応できるように、14の法則に分類し詳解している。ここではすべてを取り上げて解説するスペースがないので、詳細は『天底と転換罫線型網羅大辞典』を見て勉強してほしい。
ここでは、「いも」型とともに相場の中でよく現れる三角保ち合い型を紹介しておこう。
京成電鉄(東1 9009)週足
上の京成電鉄の(東1 9009)の週足罫線を見ていただきたい。2001年4月から8月にかけての上昇相場の途中にあるAの保ち合い、逆に9月から2002年1月にかけての下落相場の途中にあるBの保ち合いに注目してほしい。
このように、上値斜線が下向き、下値斜線が上向きになった保ち合いを『天底と転換罫線型網羅大辞典』では、通常の保ち合いと区別して三角保ち合いと呼んでいる。そしてこの三角保ち合いの上値斜線を陽線で上に切ったら買い、下値斜線を陰線で下に切ったら売りというのが「いさ」型の法則である。
ここで紹介した京成電鉄の三角保ち合いは、上げ途中、下げ途中で出現しているが、第20回で勉強したように、また、前ページでも見たように長い相場で見て底値圏あるいは天井圏で出現しているにこしたことはない。通常の保ち合いと同じように、このような形になっている罫線をあらかじめ見つけ出しておき、保ち合いを上に放れたら買い、下に放れたら売りという原則通りの売買でよいので、他の法則と違ってだれにでもわかりやすい法則といえよう。いろいろな銘柄の罫線を見て、保ち合いを見つけ出すことによって、思わぬ利益を上げることができるかもしれない。
学ぶポイント
●保ち合い放れは、どのような形の保ち合いでも上に放れたら買い、下に放れたら売り、が原則となる。
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